はじめての転職

退職代行とは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

〝退職代行〟と聞いて皆さんはどんなイメージを持ちますか?近年、精神的なストレスや対人トラブルを避ける手段として注目されている〝退職代行〟。「実際に使ったことはないけれど、興味がある」「知人や友人、会社の同僚が使ったらしいが一体何なのか」という方のために今回は、退職代行とはそもそも何なのか?またその具体的なメリット・デメリットについてわかりやすく解説していきます。

はじめまして。転職エージェントとして日本全国に向けた職業紹介サービスを提供しているJOBDOOR(ジョブドア)です。 
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退職代行とは

退職代行とは、労働者本人に代わって弁護士や退職代行業者が会社に退職の意思を伝えるサービスのことです。
退職の意思を会社に伝えたら、「上司から執拗に引き止められた」「今辞めたら損害賠償を請求する」「嫌がらせを受けるようになった」などという話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
このように、会社に退職の意思表示をできない状況などにある労働者に代わって退職届を提出や、その他の手続きを行うのが、退職代行サービスです。

近年、退職代行サービスはテレビ、インターネットやSNSなどさまざまなメディアで見かけるようになり、比較的新しいサービスだと思えますが、実際は10年以上前から弁護士が行う業務の一環として退職代行サービスはありました。ですので、現在ある退職代行サービスとは違い、未払いの給与や残業代の請求、労働上の問題、労働環境などの問題で退職できないという労働者の代わりに弁護士が退職の手続きを行っていたという側面が強いものでした。

退職代行のメリット・デメリット

メリット

会社側の人間と直接やり取りを行わなくて良い

退職代行サービスを利用することで、退職の意思を伝える際に会社の上司や同僚と直接やり取りをする必要がなくなります。退職代行サービスを利用する理由として多いのが、「上司の顔を見たくない」「辞めると伝えることができない」というケースです。
退職代行サービスを利用すれば、早ければ即日から上司と面会する必要がなくなります。これはパワハラや社内いじめを受けている際にも有効で、上司と会わずに済むため精神的な苦痛を減らせる点は、依頼者にとって大きなメリットになります。
 

「退職したら◯◯◯する」などと脅されていても安心

「今退職されたら迷惑だ!損害賠償を請求する」「退職したら二度とこの業界で働けなくしてやる」など、退職を考えている労働者が脅迫や嫌がらせを受けている場合、退職代行サービスを利用することで、そのような状況を避けることができます。
労働基準法にも「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない(労働基準法第16条)」と定められおり、たとえ就業規則に「退職は1か月前に申し出る必要がある」と書かれていても、民法は就業規則や労働契約より優先されるため、どのような企業でも民法627条にもとづき、解約申し入れの日から2週間で退職できます。
 

最短ルートで退職できる

退職代行サービスは、迅速に退職手続きを行うことができるため、長引く手続きや「あと半年待ってほしい」「次の人が見つかるまでいてほしい」などといった不必要な交渉を避け、スムーズに退職することが可能です。
 

デメリット

費用がかかる

退職代行サービスの利用には、費用がかかります。自分で退職の意志を伝え、手続きなどを済ませれば、費用はかかりませんが、転職活動中の無収入期間が長引くと、金銭的なプレッシャーがかかる可能性があります。
 

退職癖がつく可能性がある

退職代行を使うことで、思い立ったらすぐに業者に依頼し、直接会社の人と話したり出社したりすることなく仕事を辞められます。
これが退職代行を使う上で最も大きなメリットですが、逆を返すと一番嫌なことを業者に任せているとも考えられます。そこから「仕事を辞めるのは簡単」といった思考になり、気軽に退職を繰り返してしまい、履歴書に短期間の転職が多く記載され、転職活動が難しくなる可能性があります。
例えば、職場でのトラブルやストレスに対処しようと自分なりに努力した結果、うまくいかない、いくら上司に話しても退職させてくれないなど、自分だけでは解決できない問題がある場合に、退職代行を利用することが重要です。
 

悪質な退職代行業者によって被害に遭う可能性がある

退職代行業者には、大きく分けて「民間企業」「労働組合」「弁護士(法律事務所)」の3つがあります。
残業代や給与の未払い、有給休暇の取得、退職日の調整など、退職先との交渉ごとに対応できるのは、団体交渉権のある「労働組合」と、法的手続きに対応できる「弁護士」のみです。
労働組合や弁護士が運営に関わっていない民間企業の退職代行が会社と交渉するのは「非弁行為」で違法となります。
この民間企業が行う退職代行サービスで近年、問題となっており、お金を払っても退職できないことや、そもそも存在しない業者に騙されて詐欺の被害に遭うなどといったケースがあります。
下記のニュース記事には、被害の具体的な内容や、トラブルの実例などが紹介されています。気になる方はご覧ください。


お金を払っても辞められない? 悪質な「退職代行トラブル」に要注意
 

退職代行サービスの流れ

相談する

退職代行業者に依頼後は、キャンセルできないケースがほとんどなので、依頼後に後悔しないように退職代行業者の無料相談サービスなどを活用し、サービスの内容や費用などを正確に理解したうえで、申込みを行う必要があります。

 

申込みをして費用を支払う

依頼する退職代行業者を決めたら、料金を支払います。退職代行は銀行振り込みによる前払い制を採用している業者がほとんどですが、中にはクレジットカードなどでのキャッシュレス決済や、後払い制を採用している業者もあります。
 

打ち合わせ

退職代行業者への相談と料金の支払いが終わったら、打ち合わせが行われます。
氏名や生年月日、住所、電話番号や、雇用形態や勤続年数、会社名や部署の情報、退職理由や退職希望日、有給休暇の残り日数、退職金や未払い残業代の有無などが主に必要な情報となります。
他にも会社に退職の意思を連絡してほしい日時があったり、なにか会社に対して伝えてほしいことがあったりする場合には、打ち合わせの時点で伝えておく必要があります。
 

退職代行業者が退職の意思を会社に伝える

打ち合わせをした情報をもとに、退職代行業者が会社へ退職の意思を伝えます。
有給休暇や未払い残業代など、会社に対して何か交渉が必要な場合は、労働組合や弁護士による退職代行であれば代行業者に任せることが可能です。

 

退職承認の報告を待つ

退職代行業者と会社との間で話し合いや交渉がまとまれば、退職代行業者から依頼主に報告があります。その後、会社に対して退職届を提出し、会社からの貸与品などを返却すれば退職が完了することとなります。
退職から2週間程度で、「離職票」「雇用保険被保険者証」「年金手帳」といった書類が会社から送られてきます。
これらの書類は転職するときや失業保険を受け取るときに必要な書類のため、届かない場合は代行業者に早めに相談する必要があります。
 

退職代行よりも弁護士に頼んだほうがいい?

民間の退職代行業者は、弁護士よりも比較的安価な費用で依頼できますが、民間の退職代行業者と弁護士ではできることが大きく異なります。自分が依頼したい内容が、民間の退職代行業者はできない(違法行為)となってしまう可能性もありますので、ここでは、民間の退職代行業者と弁護士のできることの違いについてご紹介します。
 

非弁行為になるリスクがない

民間の退職代行業者では、非弁行為に該当するような行為をすることはできません。
退職代行サービスにおいての非弁行為とは、労働者の代理として企業と交渉する行為のことを指します。具体的には、弁護士資格を持たない退職代行業者が、従業員の代わりに退職の意思を企業に伝えたり、退職に関する条件交渉を行ったりすることが非弁行為に該当する場合があります。このような行為は法律で禁止されており、利用者や業者が法的トラブルに巻き込まれるリスクがあります。
しかし、弁護士であれば、すべての法律事務を行うことができるため、退職代行サービス業者では行うことができないような業務でも幅広く対応することができます
仮に依頼した退職代行サービス業者が非弁行為を行ったとしても、依頼した労働者本人が処罰されることはありませんが、非弁行為であることを理由に会社が交渉を拒否することも有り得ます。そのため、法的トラブルを避けるためにも、弁護士に依頼した方が安心と言えます。
 

退職条件などの交渉を任せられる

退職にあたっては、単に退職の意思を伝えるだけでなく、具体的な退職日の調整や、有給休暇の取得、業務の引き継ぎ等の対応や、退職金の金額や支払い方法など、弁護士であれば、労働者の代わりに会社と交渉ができるため、これらの条件を調整することができます。
 

退職に失敗する可能性が低い

民間の退職代行業者は、単に退職の意思を伝えることしかできません。会社から退職にあたって反論をされたり条件をつけられた場合には、それ以上対応することができず、途中でサービスが終了してしまうリスクがあります。
退職に失敗するリスクを回避するためにも、交渉が可能な弁護士に依頼した方が安心と言えます。
 

退職時に必要な手続きを任せられる

退職時には、健康保険、雇用保険、年金などのさまざまな手続きが必要になります。弁護士であれば諸手続きについて幅広く対応できるので、必要に応じてアドバイスすることもできます。
 

トラブルへの対処を任せられる

労働におけるトラブルには、残業代請求や給料未払い、退職金の請求、労災、ハラスメントに対する慰謝料請求などさまざまなものがあります。このようなトラブルが原因で退職を考えている方は、弁護士に依頼することで、退職と併せてトラブルの解決も依頼することができます。
 

まとめ

いかがでしたか?今話題の〝退職代行〟ですが、比較的安価で気軽に利用できる反面、労働者に代わって会社と交渉する行為ができないことや、違法な業者が増えているという点でも、トラブルに巻き込まれる危険性もあります。退職代行サービスを利用する前に、まずは自ら上司に現状を相談したり、退職の意志を伝えたりすることが重要です。
「どんな風に上司に伝えたらいいかわからない」「今の仕事が辛くて退職したいけど、次の仕事が見つかるか心配」など、転職についてお悩みの方はぜひ、JOBDOORへご相談ください。

 

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